テナント・賃貸ビルの業務用エアコン、フロン点検は誰の責任?オーナーと入居者の切り分け

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テナントとして店舗や事務所を借りている方、あるいは貸ビルを所有・管理している方から、「うちの業務用エアコンのフロン点検は、オーナーと入居者のどちらがやるべきなのか」という質問をよくいただきます。フロン排出抑制法の点検義務を負うのは「第一種特定製品の管理者」ですが、賃貸物件では誰が管理者にあたるのかが分かりにくいのが実情です。この記事では、環境省の考え方をもとに、テナント・オーナー・管理会社のそれぞれが確認すべきポイントを整理します。

点検義務を負う「管理者」は原則として機器の所有者

環境省のFAQでは、フロン排出抑制法における管理者は、原則として第一種特定製品(業務用エアコン・冷凍冷蔵機器)の所有権を持つ者とされています。ただし例外があり、契約書などの書面で、機器の保守・修繕の責務を所有者以外が負うことになっている場合は、その責務を負う者が管理者になります。

つまり「誰が使っているか」ではなく、「誰が所有しているか」「契約上、誰が保守・修繕をすることになっているか」で決まります。賃貸物件で迷ったときは、まずこの2点を契約書で確認するのが出発点です。

テナント物件でよくある3つのパターン

1. テナントが自分で設置したエアコン

入居時にテナント側の負担で設置した業務用エアコンは、テナントが所有者にあたるため、原則としてテナントが管理者になります。環境省のFAQでも、テナントの事業者が所有する機器はテナントが管理者になるとされています。退去時に撤去・廃棄する際のフロン回収も、テナント側の手続きになるのが一般的です。

2. 建物に最初から付いているエアコン(オーナー所有)

建物の設備としてオーナーが設置し、テナントに貸している場合は、原則としてオーナーが管理者です。ただし、賃貸借契約で「専有部の空調設備の保守・修繕は借主負担」と定めているケースでは、その責務を負うテナントが管理者と判断される可能性があります。契約書の修繕区分の条項を確認してください。

3. リースやレンタルで導入したエアコン

環境省の整理では、リース契約は保守・修繕の責務が使用者側にあることが多いため使用者が管理者、レンタルは責務が所有者側にあることが多いため所有者が管理者になる場合が多いとされています。同じ「借りている機器」でも契約の形で結論が変わるため、契約書の該当条項を確認することが大切です。

管理会社や設備業者に点検を委託している場合

点検や保守を管理会社・設備業者に委託していても、管理者の立場は委託元のまま変わりません。環境省の運用では、委託を行うこと自体が保守・修繕の責務の遂行にあたるため、委託元が管理者に該当するとされています。「業者に任せているから自社は関係ない」とはならず、点検が実施されたか、記録簿が作成されているかを管理者として把握しておく必要があります。

実務上は、委託先から点検結果と点検・整備記録簿の写しを受け取り、機器ごとに保管しておくと、後で確認を求められたときにも対応しやすくなります。

管理者が確認しておきたい点検の頻度と記録の保存

  • 簡易点検…すべての第一種特定製品が対象で、3か月に1回以上。目視・聴音が中心で管理者自身でも実施できます。
  • 定期点検…圧縮機の電動機の定格出力が7.5kW以上の機器が対象。業務用エアコンは50kW未満で3年に1回以上、50kW以上で1年に1回以上、冷凍冷蔵機器は7.5kW以上で1年に1回以上、十分な知見を有する者による点検が必要です。
  • 記録の保存…点検・整備記録簿は機器ごとに作成し、機器を廃棄して冷媒の引渡しを完了した日から3年を経過するまで保存します。設備業者が点検等を行う際に求められたら開示する必要があります。

点検の種類の違いは簡易点検と定期点検の違いで、対象機器の見分け方は第一種特定製品とは?で詳しく解説しています。

オーナーとテナントで責任があいまいなときの対処法

環境省のFAQでは、所有者と使用者のどちらが管理者にあたるか不明確な場合は、まず現在の契約を相互に確認し、どちらが管理者に該当するのかを明確にすることが必要とされています。契約書に空調設備の修繕区分の記載がない場合は、覚書などで取り決めを追加しておくと、後々のトラブルを防げます。

特に岡山県内の商業ビルや複合施設では、共用部の空調はオーナー、専有部の空調はテナントといった分け方が多く見られますが、実際は物件ごとに異なります。入退去のタイミングで機器の所有区分を一覧にしておくと、管理会社が変わっても引き継ぎがしやすくなります。

なお、行政からの指導・助言、勧告、命令を受けてなお命令に違反した場合は50万円以下の罰金、報告徴収に対して報告をしなかったり虚偽の報告をした場合は20万円以下の罰金の対象となります。責任の所在をはっきりさせておくことは、こうしたリスクを避けるうえでも意味があります。詳しくはフロン点検を放置するとどうなる?をご覧ください。

まとめ

賃貸物件の業務用エアコンのフロン点検は、原則として機器の所有者が管理者として責任を負い、契約書で保守・修繕の責務を別の者が負うと定めている場合はその者が管理者になります。テナント設置ならテナント、建物付帯の設備ならオーナー、リースなら使用者になるケースが多いものの、最終的には契約内容で判断されます。まずは賃貸借契約やリース契約の修繕区分を確認し、あいまいな場合はオーナー・テナント間で取り決めを明文化してから、点検の手配を進めてください。

よくある質問

Q. テナントとして入居している店舗のエアコンは、オーナーが点検してくれるものですか?
A. エアコンをオーナーが所有し、契約上も保守・修繕をオーナーが負う場合はオーナーが管理者です。一方、テナント側が設置した機器や、契約で借主負担と定められている機器はテナントが管理者になります。契約書で確認してください。

Q. 管理会社にすべて任せていれば、オーナーは何もしなくてよいですか?
A. 委託していても管理者の立場は委託元(オーナー)のまま変わりません。点検が実施されたことと、点検・整備記録簿が作成・保存されていることを、オーナー側で把握しておく必要があります。

Q. 契約書に空調設備の修繕について何も書かれていません。
A. 環境省の考え方では、書面で保守・修繕の責務が別に定められていなければ原則として所有者が管理者です。ただし、後のトラブルを避けるため、オーナー・テナント間で確認し、覚書などで取り決めを残しておくことをおすすめします。

オーナー・テナントからの相談に対応している岡山県内の業者

管理者がどちらになるか整理できたら、次は点検の手配です。岡山県内で業務用エアコン・冷凍冷蔵機器の点検に対応している業者として、たとえば以下のような会社があります。

岡山県内でフロン点検を依頼できる業者をお探しの方は、岡山県のフロン点検業者一覧で料金・対応エリアを比較できます。

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